配偶者の居住権

相続法が約40年ぶりに改正されました。

主な改正項目は以下のとおりです。

1⃣遺産の分け方に関わるもの

  1. 配偶者短期居住権の創設
  2. 配偶者居住権の創設
  3. 婚姻期間20年以上配偶者への贈与・遺贈の居住用不動産の特別受益除外
  4. 特別受益への算入は相続開始前10年間の贈与に限る
  5. 相続人以外の親族による特別寄与料の請求

 

2⃣相続手続きに関わるもの

  1. 預金仮払い制度の創設
  2. 自筆証書遺言の財産目録をパソコン作成可能に
  3. 自筆証書遺言の法務局保管制度の創設

 

施行日は、公布日(2018/7/13)から1年以内とされますが、

上記1⃣1,2 と2⃣3は公布日から2年以内に施行など
例外がありますので注意が必要です。

 

これらのうち配偶者居住権について、
相続税に与える影響を考えてみます。

配偶者居住権とは、
相続開始時に被相続人の持ち家に住んでいた配偶者が、
終身無償でその家に住み続けられる権利をいいます。

 

現行では、配偶者が家を取得する場合は、

その所有権そのものを取得することとなり、

価額が高いため住宅以外の財産を取得することが難しい場合がありました。

 

配偶者が居住権を取得する場合は居住を確保でき、

その価額は所有権よりも低くなるため、

住宅以外の財産を取得しやすくなり、

家の所有権は子に相続させることもしやすくなります。

 

配偶者の居住権は、

  • 遺言による取得
  • 死因贈与契約による取得
  • 遺産分割協議による取得 をした場合に、

家の所有者に権利設定の登記を請求をすることができ、

登記により第三者に対抗することができます。

また、居住権は譲渡することはできません。

 

居住権は配偶者の死亡とともに消滅するため、

配偶者自身の相続(二次相続)の相続税の対象とはならず、

家の所有者は居住権消滅による利益を得ると思われますが、

これらが節税対策となるかどうかは

今後注目を集めそうです。

 

具体的な相続対策はご相談ください。

 


写真はじゃが芋と挽肉の煮っころがし
地味だけどおいしくできました(^^)

 

 

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